昔はアメリカだけが外国だった。
テレビで時々流れるアメリカドラマは
家がでかくて車がでかくて庭が広くてキッチンが広かった。
色彩は派手で出てくる人らはみんなお洒落。
アメリカ人は全員がお洒落なんだと思ってた。
夢物語を畳の部屋で見てた。
ちゃぶ台で麦茶を飲みながら。
そのうちアイビープレッピーブームが拍車をかけた。
POPEYEがHotDogPressがMen'sClubが
アメリカ文化こそが全てだと俺らに叩き込んだ。
だから俺らは無条件にアメリカに憧れた。
アメリカに憧れることでさえ流行りだった。
クソ田舎でみんなでアメリカを気取った。
それからしばらくしてバブルがやって来た。
日本は世界一になった。(と勘違いした)
もうアメリカなんか目じゃない。
日本の会社がアメリカの文化を 世界の文化を買い漁った。
アメリカと対等に肩を並べてしまった日本にすごく違和感を覚えた。
日本はいつもアメリカ文化を追いかけていたのに
もうそれは違うと言われ なんだか面食らって行き場を失った感さえあった。
今思い返せば アメリカの背中を追いかけていた頃が
日本国民の中で最低俺だけは 幸せだったなと思う。